印鑑登録証明書の基礎知識

初めて印鑑登録証明書(印鑑証明書)が必要になったときは、どこで手に入れればいいのかよくわからないという人がほとんどではないでしょうか。そして実際に取得しようとすると、実印とはなんなのか、すぐに取得できるものなのかなどなど、様々な疑問が出てくると思います。

ここでは始めて印鑑登録証明書を取得する人向けに、印鑑登録証明書を取得する方法や、印鑑にまつわる知識を解説していきます。

印鑑証明書を発行するのはどこ?

よく耳にする印鑑証明書は、正式には「印鑑登録証明書」といい、自治体に登録した本人の実印であるという証明のために必要なものです。そして手続きは、自分が住民登録している地域の役所や出張所などで行うことが基本です。

また大きな市であれば一つの市に複数の証明発行センターがある場合も多く、住民票がある市の証明発行センターであればどこでも発行してもらうことができます。またコンビニ交付サービスを行っている自治体であれば、コンビニのマルチコピー機を使って発行することもできます。

そして印鑑登録を行った自治体がコンビニ交付サービスを行っている場合は、証明書発行対応のマルチコピー機のあるコンビニであれば全国のどこからでも手続きが可能です。ただ、この場合はマイナンバーカードが必要になります。

マイナンバーカードがなく、新たにマイナンバーカードを発行する場合は、ネットから申請は可能であっても実際手に入れるまでは1ヶ月程度かかることがあります。急ぐ場合は役所に出向いたほうが良いでしょう。また自動交付機を使って発行可能なところもあります。

この場合は自治体が発行した市民カード等を使って、交付機から証明書を取得します。ただコンビニ交付サービスが登場したため、最近は自動交付機が廃止になる自治体もあるようですし、もともと小さな自治体では自動交付機がないところも少なくありません。

印鑑登録証明書の代理申請は可能?

印鑑登録を代理人に頼む場合は委任状が必要ですが、印鑑登録証明書発行の手続きであれば委任状なしで代理人が行うことは可能です。ただ、手続きの方法は本人でも代理人でも代わりはなく、印鑑登録カードか実印を代理人に預ける必要があります。

どちらか片方があれば良いので、どれだけ信用できる相手でも決して一緒に預けないことがポイントです。

そもそも実印(印鑑)がない場合は

印鑑登録証明書を発行するには、まず実印がなくてはできません。では実印とはなんでしょう。実印(印鑑)は役所に印鑑登録された印章です。実印と印鑑は同じ意味の物で、印鑑登録してある判子は実印であり印鑑です。そして実印として扱うには、まず区役所や市役所など、お住まいの自治体に実印(印鑑)を登録しなくてはいけません。

実印を持っている人、持っていない人の差は、印鑑登録を行っている判子があるかないかいう違いでもあるのです。印鑑登録の手順はそう難しくはありません。まずは登録予定の実印と身分証明書を持って住民票がある役所の窓口で印鑑登録を行います。

無事実印が登録され、自治体の名前と登録番号が記載された印鑑登録書というカードが発行されれば、あとはすぐにでも印鑑登録証明書を取得できます。印鑑登録と印鑑登録証明書発行の手数料は自治体によって異なりますが、数百円程度です。

手数料が高いところでも、両方合わせて千円程度でしょう。

印鑑、実印、判子の違いは?

印鑑と混同されがちな言葉が印章です。認め印や銀行印などに対しても「印鑑」という言葉を使う人もいますが、正しくは印章です。そして印鑑と実印はどちらも同じく役所に登録されたものを指します。印章は、三文判や認め印、実印と印鑑など幅広い意味を持つ言葉です。

印鑑という言葉はつい気軽に使ってしまいがちですが、三文判や認め印、銀行印も「印鑑」ではありません。印章のうち、印鑑登録したものが実印であり印鑑。銀行の口座を開設する時やお金を出し入れする時に使う印章が銀行印。

サイン代わりに使われる、気軽に使える印章が認印となります。用途によって、呼び方が変わるということを覚えておきましょう。ちなみに判子という言葉は印章と同じ意味を持っていますから、銀行印や印鑑を判子と呼ぶのは間違いではありません。

実印にできる印鑑はどんな物?

ちょっと値段の張った実印用の印鑑を購入すれば、それが実印として有効になるわけではありません。自治体にその印鑑を登録した時に、実印となるのです。つまり、実印は特に立派なものである必要はなく、登録すれば出来合いの安い三文判でも実印にすることは可能です。

ただ安い印鑑は、ほぼ同じ物を大量に作ることでコストを下げることが普通です。そのため、違いがほとんどわからないような判子を使っている人がどこかにいるかも知れないということになります。

そして実印用、銀行印用として作る判子は、偽造しにくい文字を用いている上に必ず世界に一つだけのオーダーメイドです。実印用として販売されているものであれば、そのお店は、同じもの、違いがほとんどわからないものなどは作りません。

値段が高ければ高いほど良いとは限りませんが、実印として使うならそれなりの質を持った判子を購入して登録しましょう。

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実印を紛失した時はどうする?

実印は頻繁に使うものではありませんから、どこにしまったか忘れてしまったり、落としてしまったりして実印を紛失してしまう可能性はあります。あるいは盗まれてしまう、ということも考えられますね。では実際実印をなくしてしまった時の、正しい対処方法はどんなものでしょう。

まず、実印は複製を作ることが法律で禁じられています。陰影を持ってハンコ屋さんに行っても、作ってはもらえません。新しく複製を作ることでは対処できないということになります。正しい対処方法は、印鑑登録を行ったところで、印鑑登録廃止届を出すことです。

紛失した実印を、実印として使えないようにして、新たに実印が必要なら異なる印章を新たに印鑑登録し直すことになります。また実印だけではなく印鑑登録カードを紛失した場合も、早めに印鑑登録を抹消し、トラブルが起きないように対処しておきましょう。

また、印鑑登録は自治体に対して行うものなので、引っ越しによって市区町村が変わる場合も印鑑登録の抹消が必要になります。自治体によっては転出届を出すと同時に抹消手続きが行われることもありますが、転出届を出す際に手続きが必要か確認しましょう。